「教養主義の没落」を読みました。
【評価】
非常に良い。
【関心】
教養とは何か、文系学問の意義とは何か、ということはかねてからずっと考えていることです。
タイトルに「教養主義」と入っているからには、教養について何か学べるのではないかと思い、読んでみることにしました。
【感想】
「教養」には、一義的な定義はなく、それが指す内容はその時代によって異なるということがわかりました。
これまで、どこかに「教養」という言葉の普遍的な定義があるのではないかと思っていたところがあったので、非常に勉強になりました。
加えて、「教養」をその歴史から見ることで、私が「教養」という言葉に対して持っていた相反するイメージの根拠がはっきりしました。
私は「教養」に優雅さと土臭さのイメージを持っています。
同時にそれは、私の中に「教養」への憧れと、ダサいものに染まりたくないという反対の感情を生じさせます。
この相反するイメージのうち、前者はヨーロッパ貴族に由来して、後者は明治期、農村から必死に勉強をして東大文学部に入った学生に由来していたようです。
それがわかって、すごくすっきりしました。
そう言えば、以前、「教養の力 東大駒場で学ぶこと」(※)を読みましたが、本書読んだ後に振り返ってみると、歴史を鑑みないで「教養とは何か」を考えるのは、ある意味、不毛なことだな、と思ってしまいます。
何事も、「歴史」(過去の背景)を知ることは重要だという教訓の意味が少し分かった気がしました。
※「教養の力 東大駒場で学ぶこと」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、
<関連記事>
・「教養」によって高学歴者の信頼回復を図ることはできないか。② - 東京大学を卒業しましたが、
・「教養」によって高学歴者の信頼回復を図ることはできないか。 - 東京大学を卒業しましたが、