東京大学を卒業しましたが、

東京大学を卒業したけれど、「何者」にもなれず社会の中に埋もれきったアラサー女子の、現状への反省も込めた徒然記です。

東大卒者にとって東京大学大学院は行くに値しない!?

随分前に、学ぶことは好きだけど、大学に入り直したり、大学院に入る気はない、という記事を書きました(※1)。


でも、本を読んだりブログを書いたりしてると、「勉強したいな」と思うことは多く、本音を言えば、大学院に行ってみたい、と思ったりもします。
しかしながら、友人の話を聞いたりするうちに、特に大学院には、私が求めているような環境はないんだな…と、いうことがわかってきました。

残念です。


東京大学卒業生が社会人経験を経て東京大学大学院に入る意義があるかどうか検討してみたいと思います。

 

【社会人になってから大学(院)に入ることの意味】

私のように社会人になってから大学や大学院に入りたいと思う人は、主として

  • 仕事に役立つ知識の獲得や能力の向上
    (自分の仕事を省みることも含む)
  • 仕事とは関係なく「学びたい」という欲求を満たすこと

を期待していると思います。


一方、日本企業においては、修士号や博士号を取ったからといって、それが評価されることは期待できません。
従って、それでも、「学校」で学びたいと思う人は、「一緒に学ぶ人」から得られる知的刺激を求めていると考えられます。

 

さて、上述のとおり、私は大学院に優秀な人たちがたくさんいる環境を期待しています。


ここで想定している優秀な人たちとは、東大卒レベルの人たちです。
なぜなら、たかだが20年と少ししか生きていなく、社会人経験のない学生が、社会を知ってしまった大人に「おもしろい」と思わせる話ができるかどうかは、過分に、それまでの学習経験に依拠すると考えられるからです。
東大卒者としてはある意味当然です。
(全員東大卒という環境はそれはそれで微妙ですが…)


もちろん、社会人経験者は、その経験を通して語れるものを持っているので出身大学を目安に「知的刺激」の期待値を測ることはできません。
しかし、東京大学の情報公開(※2)によると、修士課程・専門職学位課程の入学者(例年約3000人)のうち、社会人は毎年約150人です。

つまり、多くの入学者が「学生」出身ということになります。
(社会人→学部や他大の大学院→東大・修士という可能性も考えられますが、少数と思われるのでここでは考慮しないことにします)

 

東京大学大学院修士課程入学者に占める東大出身者の割合】

さて、上述の観点から大学院を見てみるべく、平成15年~25年度の、修士課程・専門職学位課程の入学者に占める東京大学出身者の割合をグラフにしてみました(※2)。

 

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年度によって、若干の変動はありますが、概ね、東大卒者が多い研究科と少ない研究科が明確に分かれています。
わかりやすくするために、東大卒者が占める割合が高い研究科と低い研究科を抜き出してみました(グラフ2)。

 

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ちなみに、東大卒が50~60%の人文社会学系では、授業中、ドストエフスキーの名前がでた際、「誰ですか」と質問する学生がいるらしいです(※3)。


知的刺激…??


こんな基礎知識のない人が周りの学生から貴重な時間を奪うことが許される研究科なんて、たとえそこが東大でも、絶対に行きたくないです!


ところで、東大卒生が50%に満たない研究科もたくさんありますが、そこでは一体どんな授業が展開されているのでしょう…?
もはや「東大」ではないということでしょうか?
そして、これが巷で言われる「学歴ロンダリング」なのでしょうか?

 

【もしも、東京大学大学院に行くなら…】

東大卒生が多い研究科は知的刺激にあふれていそうですが、理系分野しかありません。
ロースクールは「入るのも、入ってからの勉強も大変だ」とよく聞きますが、司法試験を受けたいわけではないので、ロースクールは対象外です。


そうすると…


ドストエフスキープルーストを知らず、それを堂々と質問する人がいる上に、そのような態度を肯定する教員がいる研究科か…(※3)

 

やっぱり、お金を払ってまで東京大学の大学院に行かなくていいと思います!!

 

 

※1今から大学で学び直したい?学ぶことの意味について考える。 - 東京大学を卒業しましたが、

※2東京大学 [大学院入学]大学院学生の入学状況(修士課程・専門職学位課程・平成25年5月1日現在)

※3「教養の力 東大駒場で学ぶこと」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、
 (孫引きがありますが、ご容赦ください)

 

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