東京大学を卒業しましたが、

東京大学を卒業したけれど、「何者」にもなれず社会の中に埋もれきったアラサー女子の、現状への反省も込めた徒然記です。

「教養の力 東大駒場で学ぶこと」を読みました。

【評価】

良い。

 


【関心】

「文系学問の意義とは何か?」、ということを考えていると、「教養とは何か?」ということにも考えが及んできます。
加えて、教養とは何か考えることは、「高学歴とは?」について考える際にも役に立つ気がします。
そこで、とりあえず、「教養」に関する理解を深めるべく、本書を手にしました。


でも、正直なことを言えば、副題の「東大駒場で学ぶこと」を見たら、読まない理由はありませんでした。

 


【感想】

私たちは、日常生活の中で特にその意味を深く考えることなく、「教養」という言葉を使います。
しかし、「教養とは何か」「何のために必要なのか」といったことを考えると、改めて「教養」とは何なのかわかっていないことに気づかされます。


本書では、「教養とは何か」ということについて、多角的な視点から検討がなされていて、読むだけで考えが深められます。
しかし、結局、「教養とは何か」、という問いに対して、「答え」は提示されていません。

教養については、明確な定義があるわけではなく、漠然とした共通理解があるだけである、それ故に、「教養」という言葉を使った議論には慎重にならなければならないのだ、ということがよくわかりました。



一方で、著者の教養を道徳的なものに落とし込む考え方に強い違和感を持ちました。
しかしながら、そのような考え方に違和感を持った理由をきちんと考えたら、以前書いた高学歴とノブレス・オブリージュの話(※)を深められる気がします。

 

 

ノブレス・オブリージュ。「持つ者」としての責任。 - 東京大学を卒業しましたが、

 

 

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