「今こそルソーを読み直す」を読みました。
【評価】
普通。
【関心】
「グローバリズムが世界を滅ぼす」(※1)を読んで以来、その中で書かれていたエマニュエル・トッド氏の「教育上の格差が不平等の態度を培っている」という考え方が気になっています。
上記本の紹介でも書きましたが、この考え方は「リアル30's」(※2)で読者の声などに表れていた不平等感を解決するためのカギになるような気がしています。
しかし、一人で考えていても特段考えは深まらず…
このような現状を打開するため、「不平等と言えば『人間不平等起源論』=ルソー!」と思い、これまで読んでみておもしろかった仲正氏による本書を読むことにしました。
【感想】
本書を読んだ目的である『人間不平等起源論』に関する言及はあったのですが、私が期待していた内容とは違いました。
ここで書かれている不平等は、「たまたま最初に土地を占有した者が、(中略)排他的権利を主張し」ということから始まり、不平等がいかにして制度化されるのかということについてでした。
これはこれで非常に勉強にはなりましたが…
他の本で不平等について言及しているものを探してみたいと思います。
しかしながら、これまでルソーについては倫理の教科書以上の内容を学んだことがほとんどなかったため、個人的には多々、勉強になりました。
特に、民主主義については、これまで「正しい」と思い込んでいたフシがありましたが、その成立には満場一致が必要という実現不可能なものを抱えていることを初めて知りました。
「日本人の誇り」(※3)や「理性の限界」(※4)を読んだ時にも思いましたが、学校教育を受ける中で、「これ」(=正しい)と教えられた内容を鵜呑みにしていてはダメなんだな…と改めて思いました。
知識不足を含め、いろいろな意味で、自分の学習の狭さを感じさせられた一冊でした。
(補足)
ちなみに、これまで読んできた仲正氏の著書に比べると読みにくかったです。
※1「グローバリズムが世界を滅ぼす」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、
※2「リアル30’s」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、
※3「日本人の誇り」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、
※4「理性の限界」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、