「国力とは何か」を読みました。
【評価】
いまいち。
【関心】
「グローバリズムが世界を滅ぼす」(※1)を読んで以来、中野氏の単著を読んでみたいと思っていました。
そこで、中野氏の著書を検索したところ本書が目に留まりました。
昨年の衆議院選挙に際して、マニフェストを見ながら政策について考えてみました。
その時、各政策も大事だけれど、結局のところ、日本はどうあるべきか、どうなっていくことを一国民として望むのかということについて考えなくてはいけないのだな、とぼんやりと思いました。
そんな壮大なことについてはぼんやりと思っただけですが…
次の衆議院選挙がいつになるのかはわかりませんが、それでも次回選挙に備えて「国力とは何か」について考えたいと思い本書を読むことにしました。
【感想】
グローバル化の進展により国家の必要性は低くなるという言説が巷にあふれているが、グローバル化が進展する今だからこそ、「国民のための国家(経済ナショナリズム)」が必要である。
本書の主張をまとめると上記内容になると思います。
上記主張は本書を通じて一貫して主張され、非常にわかりやすく伝わってくると思います。
そして、普段よく聞く話とは真逆の内容ですが、「ふむふむ」と読み進められます。
でも。
読後、どうしても、全体的に曖昧でぼやけた印象が拭えませんでした。
- それは、いろいろな人の議論をつぎはぎして書かれているため、途中に論理の飛躍があるからそう感じられたのでしょうか。
- それとも、新書にするにあたってもともとあった文章をリバイスしたそうなので、「時間のズレ」が生じてしまったからそう感じられたのでしょうか。
- あるいは、主張の根拠として書かれているものについて、「『国家が大事』という主張以外の解釈も可能だよね?」と思うものがしばしばあったからそう感じられたのでしょうか。
新しい視点を取り入れるという意味で読んでみるとおもしろいとは思いますが、どうにもしっくりきませんでした。
ところで、著者は国家公務員なのに過去の政権や所属省庁の批判をしていらっしゃいます。
大丈夫なのでしょうか??
そう思う一方で、「国家が大事」という主張と総花的な内容から、「いつか政治家に転身するための布石か!?」と思ってしまいました。
うーん…
私の邪推でしょうか。
※1「グローバリズムが世界を滅ぼす」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、
国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策 (講談社現代新書)
- 作者: 中野剛志
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/07/15
- メディア: 新書
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