「世界の宗教がざっくりわかる」を読みました。
【評価】
普通。
【関心】
以前、「金融恐慌とユダヤ・キリスト教」(※1)を読んだ際、「大人になった今になってある宗教の教えに詳しくなっても意味がない」と思いました。
しかしながら、宗教に関係する問題が頻発する昨今、時事問題を理解するために必要な宗教に関する基礎知識に自信がなく…
主要宗教の概要をさらっと学べる本を読みたいと思っていたところ、本書を見つけたので読んでみることにしました。
【感想】
非常にわかりやすくおもしろかったです。
高校生の頃、倫理や世界史、日本史で習ってバラバラかつ曖昧なままうっすらと記憶に残っていた断片的な知識が頭の中で整理されてスッキリした気がします。
主要宗教の概略を知るのに最適な本でした。
加えて本書では、高校までの教科書とは異なり、歴史や思想という観点から宗教について学ぶこともできました。
例えば…
- ユダヤ教は祖国喪失に当たって「神殿の宗教」から「法の宗教」に転換し、独自の法によって生活を成り立たせることにこだわったため迫害や追放を受けた側面がある(歴史的な話)
- 唯識説ではこころの根底「阿頼耶識」を想定し、そこにあらゆる存在を生む種子が内蔵されているとしている。
この考え方は精神分析学で説かれる無意識に対応するものと考えられている(思想的な話)
「宗教」と言われると、どうしても、「宗教」という何か特別なものがあるような気がしてしまいますが、特に世界の主要宗教と言われるものについては、宗教という「何か特別なもの」があるというよりは歴史や思想という側面が相当程度あるということを感じました。
そのように考えると…
高校の倫理のように「ある宗教の内容について知りたい」とはあまり思いませんが、現代思想やルソーを学ぶように唯識論についての理解を深めたいetcと思いました。
昨年来、宗教に関する本を数冊読みましたが、自分の中で「宗教」に関する考え方や認識が深まるというか、いい意味で変わりつつあるように感じています。
※1「金融恐慌とユダヤ・キリスト教」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、