東京大学を卒業しましたが、

東京大学を卒業したけれど、「何者」にもなれず社会の中に埋もれきったアラサー女子の、現状への反省も込めた徒然記です。

「虚構の時代の果て」を読みました。

【評価】
難しい。

 

【関心】
以前、大澤氏の「生権力の思想」(※1)を読んだ際、示唆に富んだ内容がたくさん書かれているように感じるものの十分な理解ができず、別の著書を読んで理解をしたいと思いました。

そこで、まずは「生権力の思想」を読んだ際、一番興味を引かれた「第三者の審級」について書かれた著書を読んでみようと思い、ネットでざっくりと調べたところ、「第三者の審級」については「虚構の時代の果て」が初出のようだったので、読んでみることにしました。

 

【感想】
「生権力の思想」(※1)を読んだ時も思いましたが…

大澤氏の著書は難しいと思います。


ただ、すべてがわからないというわけではなく、わかる部分もあるので…
理解できそうでできないところに大澤氏の魅力があるのでしょうか。


それはさておき。

上述のとおり、本書は読みにくくわかりにくかったです。
しかしながら、それでも「生権力の思想」を読んだ時よりは、「第三者の審級」についての理解を深められたように思います。


第三者の審級」について正確な理解ができているとは思いませんが、結局のところ、下記一文に落ち着くのではないかと思いました。

「人々の行動を規定しているは、何を信じているかではなくて、何を信じている他者を想定しているかである。」


つまり、任意の他者が、「他者が信じている」と信じているもの=第三者の審級
そうすると、アンデルセンの『裸の王様』はある意味、第三者の審級をめぐる物語になる気がします。


うーん…

 

第三者の審級だけでなく、終末論や理想に関する話など、大澤氏の考え方についてはもう少し理解をしたいと思うので、もう数冊、著書を読みたいと思います。

 

ところで。
本書を読んでいて、大澤氏があえてわかりにくい文章を書くことで読者の「理解したい」欲求を誘っているのではないかと、ふと思ったのですが…


大澤氏の著書は、わかりにくいくせに(だからこそ?)読みたくなる不思議な著書だと思います。

 

 

※1「生権力の思想」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、

 

 

虚構の時代の果て―オウムと世界最終戦争 (ちくま新書)

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