東京大学を卒業しましたが、

東京大学を卒業したけれど、「何者」にもなれず社会の中に埋もれきったアラサー女子の、現状への反省も込めた徒然記です。

「それでも、ゆとり教育は間違っていない」を読みました。

【評価】
いまいち。


【関心】
苅谷先生の「教育改革の幻想」(※)を読んで、ゆとり教育が出てきた背景や、何を意図したものかはだいたいわかったけれど、もう少し詳しく知りたいと思っていました。
本書は、「ゆとり教育」推進時の文部科学省の担当課長だった寺脇氏が書いたものなので、読んでみることにしました。


【感想】
あとがきによると、本書の目的は、「ゆとり教育は正しいと真っ向から主張するのではなく、『ゆとり教育も捨てたもんじゃないと思いませんか?』と問いかけるくらいの気持ち」でつくったそうですが…

率直な感想を言えば、「よくぞまぁ、ここまで都合のいいエピソードを話してくれる人を集めたな」と思ってしまいました。


詰め込み教育にしろゆとり教育にしろ、有識者会議や(ある程度の)国民的議論を経て行政が採用した教育方針であれば、「万人に対してダメな教育」ということはさすがにあり得ないと思います。
そんなことがあり得たら困ります。


なので、元行政官として、個別事例からゆとり教育を美化するのではなく、「ゆとり教育を行政として採用することの意義」を論じてほしかったです。

寺脇氏は、本書をどのような立場で書いたのか非常に疑問です。

 

  

「教育改革の幻想」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、

 

 

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それでも、ゆとり教育は間違っていない

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