読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

東京大学を卒業しましたが、

東京大学を卒業したけれど、「何者」にもなれず社会の中に埋もれきったアラサー女子の、現状への反省も込めた徒然記です。

「公共事業が日本を救う」を読みました。

【評価】
おもしろかった。

 

【関心】
以前、中野氏の「国力とは何か」(単著、※1)及び「日本破滅論」(藤井氏との対談集、※2)を読んだ際、全体的に曖昧でぼんやりした印象を持ちました。

そのような印象から、「中野氏は合わないのかな…」と思っています。
しかしながら、「日本破滅論」は中野氏と藤井氏の対談であるため、上述のような印象を持ったのは、中野氏だけが原因ではない可能性があります。
そのため、中野氏が合わないのか否か判断するためにも、藤井氏の単著を読んでみたいと思っていました。

これまで読んだ本の中で、本書は非常に売れたらしいという話を読んだ気がしたので、読んでみることにしました。

 

【感想】
中野氏との対談で藤井氏の話がおもしろいと思ったことはありませんでしたが…

本書は素直におもしろかったです。

正直、普通におもしろくて驚いてしまいました。

 

本書では、データに基づいた公共事業不要論に対する反論がなされるとともに公共事業の必要性が丁寧に説明されていました。


巷の公共事業不要論におけるデータの扱い方の杜撰さ、恣意性には非常に驚くとともに腹が立ちました。

一方で、少なくとも、本書での藤井氏のデータの扱い方は誠実だと感じました。
藤井氏の論が100%正しいとは思っていないので、公共事業不要派が本書に対してどのような真っ当な批判をし得るのか気になるところです。


また、私自身はすべての公共事業が無駄だとは思っていませんでしたが、それでも八ッ場ダムの治水の役割や港湾行政の問題などの説明を読むと、公共事業の必要性について根拠をもって納得できました。
本書に書かれている内容をもっと早くに知っていたら、民主党政策に対する見方さえも違っていたような気がします。


加えて、公共事業には魅力的な都市をつくるなど「より良い暮らしを目指す政策」と地震対策など「必要最低限の政策」があることにも、改めて気づかされました。
公共事業に限りませんが、やはり政策については「より良い暮らしを目指す政策」と「必要最低限の政策」を分けたうえで、何にどのくらい予算を使うのかといった配分について国民の意見を反映できるような選挙制度にしてほしいと思います。
(無理でしょうが…)


上述のとおり本書は概ねおもしろいと思ったのですが、日本の財政論(8章)にだけはすごく違和感がありました。
この違和感については、今はまだうまく説明できないのですが、きちんと考えてみたら何かまとめられそうなので、後日の課題にしたいと思います。


本書は非常におもしろく、公共事業に対する理解も深まるため、知り合いに勧めたい一冊です。

 

 

※1「国力とは何か」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、

※2「日本破滅論」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、

 

 

公共事業が日本を救う (文春新書)

公共事業が日本を救う (文春新書)