東京大学を卒業しましたが、

東京大学を卒業したけれど、「何者」にもなれず社会の中に埋もれきったアラサー女子の、現状への反省も込めた徒然記です。

「日本破滅論」を読みました。

【評価】
いまいち。

 

【関心】
先日、中野氏の単著「国力とは何か」(※1)を読んだ際、曖昧でぼやけた印象を持ちました。
それは、たまたま「国力とは何か」(※1)にそう感じてしまっただけだったのか…

「中野氏は合わない」とあきらめる前に、中野氏の著書をもう一冊は読もうと思っていたところ、刺激的なタイトルの本書を見つけました。
中野氏の単著ではなく、かつ対談をまとめたものではあるけれど、「まぁ、いいか」と、とりあえず読んでみることにしました。

 

【感想】
「国力とは何か」(※1)に引き続き、本書もどこかぼやけた印象が拭えませんでした。
それは、中野氏の著書だからなのかあるいは対談という形式の問題なのか…

どちらが原因なのかはわかりませんが、そろそろ中野氏はあきらめようかと思います…
そして、今度、藤井氏の著書を読んでみたいと思います。


本書については、ぼやけた印象に加え、読んでいて非常に違和感を持ちました。

本書の中心的な主張とは異なるとは思いますが、本書全体から「世の中(特に政治、政策)は、自然科学のように合理性や理屈のみによって事が運ぶわけではない」というメッセージがすごく伝わってきました。
実際、本書で書かれているエピソードや事例はそれを支持するものです。


私自身は、このような考え方については、「世の中そうなんだろうな」と納得はしています。
しかし、本来、合理性や公平・公正感を確保する立場にある官僚や学者がそのような話をしてしまっていいのか非常に疑問に感じました。
官僚や学者がそう言ってしまったら、どうやって世の中の公平感や公正感を確保していくのでしょう…
そして、私たちは誰に税金を預ければいいのでしょうか…


政治も行政も大学も公平・公正でなかったり、「正しくない」ことが多いのだろうとは思っていますが、ここまで開けっ広げに実態を書かれると虚無感に襲われます。


本書は、「うん?」と思う部分が多々ありましたが、しかしながら、「バカヤロー経済学」(※2)のように社会の裏側を知る、という意味では興味深い本でした。

 

 

※1「国力とは何か」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、

※2「バカヤロー経済学」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、

 

 

日本破滅論 (文春新書)

日本破滅論 (文春新書)