東京大学を卒業しましたが、

東京大学を卒業したけれど、「何者」にもなれず社会の中に埋もれきったアラサー女子の、現状への反省も込めた徒然記です。

「ダメな議論」を読みました。

【評価】いまいち。 【関心】以前読んだ経済政策に関する飯田氏の著書(※)が非常におもしろかったので、飯田氏の著書をもう一冊読んでみたいと思っていました。飯田氏の著書で検索したところ出てきた数冊の本のうち、タイトルが何となくおもしろそうだった…

大学教育という「サービス」と大人になれない大学生?

先日、大学受験生のお子さんを持つお母さんとお話をする機会をいただきました。 そして、最近の大学受験をめぐる状況を伺って、私が高3だったころとの違いに心底驚きました。 私の高校3年生の夏といえば…漠然と「東大を受けるのだろうな」とは思っていたも…

「ハイデガー入門」(竹田青嗣)を読みました。

【評価】いまいち。 【関心】先日読んだ「ハイデガー入門(細野亮一)」(※)がまったく理解できなかったので、リベンジを果たすべく、別の著者の入門書を手にしてみました。 【感想】やはり、ハイデガーはわかりませんでした。 高校の倫理の授業で学んだと…

「大学論」を読みました。

【評価】普通。 【関心】大学についてもう少し学びたいと思い、検索をしたところ本書が出てきました。タイトルから大学論一般について書かれていると考えられ、かつ、以前読んだ大塚氏の著書が非常におもしろかったので読んでみることにしました。 【感想】…

人材育成?その前に、魅力的な「未来」をつくるべきだと思う。

随分前に、 グローバル人材の育成って言うけど、そんなにグローバル人材って必要なの? 国が税金を使ってまでやる必要があるの? ということを書きましたが(※1)、やっぱり、各方面で叫ばれている人材育成は欺瞞にしか思えません。 【人材育成に成功してい…

「今こそアーレントを読み直す」を読みました。

【評価】普通。 【関心】先日読んだ仲正氏の「集中講義!日本の現代思想」(※)がとてもおもしろかったので、仲正氏の著書をもう一冊読んでみたいと思っていました。読書メーターで検索したところ、登録数がそれなりにあり、かつ、不勉強な私にはアーレント…

「理性の限界」を読みました。

【評価】おもしろい。 【関心】自分の関心に沿った本ばかり読んでいたら偏った読書になってしまいます。そう思って、読書メーターの「相性のよい読書家さん」が読んでいる本は時々チェックしています。そこでたまたま目に入った本書のタイトル「理性の限界」…

「女性の活躍促進」の裏側の男性の不自由な社会?

私はこれまで総合職として働いてきました。 いい意味でも悪い意味でも男女差別はなく、男性と同じように働いてきました。きっと、これからも働いていくのだと思います。 総合職として働くのは大変です。拘束時間は長く、お昼ご飯を食べそびれて気がついたら…

「評価経済社会」を読みました。

【評価】超おもしろい! 【関心】本書を手にしたことに深い理由はありません。普段あまり読まないジャンルの本を読みたいな…と思っていたところに、たまたま読書メーターで「相性のよい読書家さん」が読んでいて、登録数が多かったので読んでみることにしま…

「日本の現代思想-ポストモダンとは何だったのか」を読みました。

【評価】良い。 【関心】「寝ながら学べる構造主義」(※)を読んで以来、思想に関する関心が私の中で高まっています。ブログの記事を書こうとしたとき、どこかで聞いたことのある「大きな物語の終焉」というワードをふと思い出しました。それがどのような意…

高等教育の量的拡大は「教育改革の幻想」?

苅谷氏は、「ゆとり教育」へと舵を切った教育改革は、実体とは異なる過度の受験競争への処方箋としてなされたものである、と指摘しています。この点を指摘した著書の「教育改革の幻想」(※1)というタイトルは言い得て妙だと思います。 教育再生実行会議の…

「ハイデガー入門」を読みました。

【評価】いまいち。 【関心】「座右のニーチェ」(※1)に引き続き、「寝ながら学べる構造主義」(※2)に出てきた思想家について、もっと詳しく知りたいと思い読むことにしました。 【感想】本書を読んでもハイデガーに入門できませんでした。同じ話を繰り…

「歴史を学ぶということ」を読みました。

【評価】微妙。 【関心】「『きけわだつみのこえ』の戦後史」(※1)や藤原帰一氏(※2)・藤原正彦氏(※3)の著書を読み、これまで学校で学んできたことを含め「歴史ってなんだろう」という疑問が私の中にわいてきました。そんなとき、本書を見かけ、タイ…

女子が東大を目指さないことの考察とポジティブアクションについて

先日、「女の子が東大に入ると損?いいえ、日本一幸せになれます」(※1、2)という記事を見て以来、ずっと気になっていることがあります。 なぜ女子高生は東京大学を目指さない(選ばない)のか。 その理由を私なりに考えてみました。 ちなみに、東京大学…

「座右のニーチェ」を読みました。

【評価】普通。 【関心】「寝ながら学べる構造主義」(※)がすごくおもしろかったので、そこに出てきた思想家についてもっと詳しく知りたいと思っていました。そこで、「あの有名な齋藤氏」の著書ということもあり、読んでみることにしました。 【感想】本書…

「大学経営を斬る」を読みました。

【評価】読む必要なし。 【関心】「大学とは何か」、「大学の意義は」など、大学に対する関心を非常に強く持っています。これまで、苅谷氏の「イギリスの大学・ニッポンの大学」(※1)や吉見氏の「大学とは何か」(※2)など、大学の内容について書かれた本…

「教養」によって高学歴者の信頼回復を図ることはできないか。②

先日書いた、「教養を通じて高学歴者の信頼回復を図る」という考え(※1)は、完全な私の妄想です。でも、たとえ妄想でも、妄想なりの根拠もどきの補足をしてみたいと思います。 妄想内容は以下のとおりです。 望むと望まざるに関わらず、「高学歴」とラベリ…

「教養」によって高学歴者の信頼回復を図ることはできないか。

今日は妄想を語ってみたいと思います。 以前、単なる学歴(及び学歴社会)否定の先に「良い未来」はないのではないか、ということを書きました(※1)。昨今の状況を鑑みるに、高学歴者が否定されるのはある意味やむを得ません。。しかし、このままでいいと…

「非属の才能」を読みました。

【評価】普通。 【関心】読書メーターで相性の良い読書家さんが読んでいるのを見て、何となく興味を持ちました。加えて、たくさんの人が登録していることや「非属ってなんだろう?」と気になったetcの理由から読んでみることにしました。 【感想】本書が言う…

若手社会人の成長願望に見る進歩主義の終焉?

最近、今の生活に退屈してきました。去年までは去年までの生活に退屈して、飽ききっていましたが…私は飽きっぽい性格なのでしょうか? 【学校教育がつくる「成長を求める体質」?】 大人になると日々の生活における変化が少なくなります。大学生のころまでは…

「日本人の誇り」を読みました。

【評価】おもしろい。 【関心】藤原帰一氏の「戦争を記憶する」(※)を読んだときにも思いましたが、私たちが学んできた「歴史」は、どうやら歴史の一側面でしかないようです。教科書に書かれたものとは違う「歴史」を知りたいと思い、本書を読むことにしま…

「まだ」子どもを産まない理由。

学生のころ、女子だけで集まると恋愛話をよくしていましたが、最近は、話題の中心が結婚・出産に変わってきたのを感じます。 アラサーを実感する瞬間です。 自分や一緒に話している友人の不妊の可能性を考えず、出産についてオープンに話せるのはアラサーの…

「戦争を記憶する 広島・ホロコーストと現在」を読みました。

【評価】普通。 【関心】「『きけわだつみのこえ』の戦後史」(※)を読んで以来、もう一度歴史を学びたいと思うようになりました。もちろん、山川出版の教科書を読み直すという意味ではありません。教科書レベルのことならそれなりに知っています。 本書は、…

「学校って何だろう―教育の社会学入門」を読みました。

【評価】おもしろい。 【関心】最近、教育について様々な立場の方の本を読んでいます。そして、どの本もそれなりにおもしろいし、勉強になる、と思えます。その一方で、だんだん、ただ「おもしろい」と思っているだけではダメなのかな、と思うとことが増えて…

JMOOCと高等教育-高校までの「学び」と変わらない高等教育

最近、東京大学大学院の批判ばかりしていますが(※1、2)、それは、「私にもワクワクしながら学べる場を提供してよ!」という思い故です。勉強したいんです。。 勉強欲求を満たすため、もともとeーlearningはあまり好きではないのですが、話題ということも…

「アメリカの大学・ニッポンの大学」を読みました。

【評価】おもしろい。 【関心】「イギリスの大学・ニッポンの大学」を読んだとき(※)から、本書があることは知っていて、いつか読んでみたいとずっと思っていました。ようやく、読むことができました。 【感想】本書は1992年に出版された同名の著書+α…

「嫉妬の世界史」を読みました。

【評価】まぁまぁ。 【関心】単純にタイトルに惹かれたので読んでみました。 【感想】思っていた以上におもしろかったです。 歴史上の人物・出来事を嫉妬の視点から切り取って描いているのですが、反面教師的なものも含め、組織で生きるための知恵を読みとる…

ポジティブアクションって必要?-最近の女性の活躍促進について思うこと。

私が乗る朝の通勤電車は結構混んでます。本を読むほどの余裕はないので、よく東洋経済オンラインとプレジデントオンラインを読んでいるのですが、「女の子が東大に入ると損?いいえ、日本一幸せになれます」(※1)というプレジデントオンラインの記事を発見…

「グリム童話の世界」を読みました。

【評価】おもしろい。 【関心】 最近は新書ばかり読んでいますが、本当は小説が大好きです。 小説の中心とも言えるメルヘン-グリム童話がテーマであること、また、今までとは違う世界に触れたいという思いから読んでみることにしました。 【感想】 メルヘン…

「『やりたい仕事』病」を読みました。

【評価】まあまあ。 【関心】 私自身、仕事に迷走しているところがあると思っています。今さら「すごくやりたい」仕事があるわけではないのですが、だからこそ、それが「病」となる人々のことを知りたいと思い、読むことにしました。 【感想】前回読んだ榎本…