東京大学を卒業しましたが、

東京大学を卒業したけれど、「何者」にもなれず社会の中に埋もれきったアラサー女子の、現状への反省も込めた徒然記です。

「いま生きる『資本論』」を読みました。

【評価】
普通。

 

【関心】
随分前に読書メーターで本書のタイトルを目にし、「資本論が生きるってどういうことだ!?」と興味を持ちました。
図書館で予約を入れたのですが、予約数がものすごく多く…
手元に届いたので、読んでみることにしました(実際に読んだのは少し前ですが…)。

 

【感想】
本書は佐藤氏による『資本論』に関する講義録でした。
講義の内容としては、『資本論』全体を通読するのではなく、佐藤氏が重要だと思う部分を選び、それについて解説がなされる形式です。

そのせいか、本書を読んでも『資本論』を読んだ気分には全くなれませんでした。
どちらかというと、資本論をベースに佐藤氏の政治・経済に関する話+雑学談を読んだ、という印象です。


佐藤氏の雑学と言えば。
佐藤氏が鈴木宗男氏について詳しいのは「そうだろうな」と思えるのですが、野矢茂樹氏の『論理トレーニング』にまつわる雑談など一体どこで仕入れているのか不思議な雑学が多くて驚かされました。
「確かに野矢先生の科学哲学の授業は、数字に強い男子が受けていたよな…」と、妙に納得してしまいましたが。

 

本書では、随所に岩波文庫の『資本論』の抜粋が出てくるのですが、読んでみても悲しいくらいわかりませんでした。

資本論』の難しさを実感するにつれ、佐藤氏が『資本論』を相当に読み込み、加えて宇野弘蔵氏の解釈もきちんと学んでいることのすごさを感じました。
改めて、「佐藤氏は博学だな」と思いました。
しかしながら、佐藤氏の著作が売れるのは、政治・経済をはじめ、上述のようなどこから仕入れたのかわからない雑学に魅力があるからではないかと思ってしまいます…

失礼な発言をすみません。


資本論』については、「いつか読んでみたい!」と常々思っていますがなかなか難しそうです…
本書のような解説本を少しずつ読み重ねていき、いつか原典を読んでみたいと思います。

 

 

 

いま生きる「資本論」

いま生きる「資本論」