東京大学を卒業しましたが、

東京大学を卒業したけれど、「何者」にもなれず社会の中に埋もれきったアラサー女子の、現状への反省も込めた徒然記です。

「国語教科書の思想」を読みました。

【評価】
読んでよかった。

 

【関心】
本書は以前読んだ何かの本で勧められていたのだと思います。
何の本だったのかは全く思い出せないのですが、読書メーターの「読みたい本」にいつからか登録されていました。

「何かいい本はないかな」と読書メーターの「読みたい本」を見ていた時、特に理由はありませんが、何となく目に留まったので、とりあえず読んでみることにしました。

 

【感想】
読み終わった後、「読んでよかった」と思いました。
そして、同時にこれまで比較的、国語ができる方だったことが恥ずかしくなりました。


本書では、国語の教科書の構成、そこで取り上げられている文章から読み取れる「思想」についての分析がなされています。
著者もご自身で書かれていましたが、この分析は著者という人物を通して行われているため、中立的なものではありません。
しかし、それでも、12年間国語教育を受けた者として、「確かに」と思わされる部分が多々ありました。


詳細は本書をお読みいただきたいと思いますが、本書では「国語教育はイコール道徳教育となっている」ということが主張されています。
私の実感としても、「(道徳的に)いいことを書いた!」と思った時の国語の点数は良かった記憶があります。

つまり、「国語ができる」=「国家が期待する道徳的思考/価値観の枠組みを身に着けているに過ぎない」ということになるようです。
著者の分析の適切さを認める者としては…いろいろと恥ずかしい限りです。

 

本書のように、大人になって自分が受けてきた教育を改めて振り返るといろいろと思うところがあります。
いつか改めてまとめてみたいと思います。

しかしながら、アラサーになるまで、自分が受けてきた教育の意味について考えることがなかった点については、ひたすら反省しかありません。。


本書は、教育の重要さと責任、その奥深さなど様々なことを考えさせられる良書だと思います。

 

 

 

国語教科書の思想 (ちくま新書)

国語教科書の思想 (ちくま新書)