「大学論」を読みました。
【評価】
普通。
【関心】
大学についてもう少し学びたいと思い、検索をしたところ本書が出てきました。
タイトルから大学論一般について書かれていると考えられ、かつ、以前読んだ大塚氏の著書が非常におもしろかったので読んでみることにしました。
【感想】
本書を手にした目的である、大学論一般についてはほとんど書かれていませんでした。
しかし、本書には、学生が「描くこと」を通して成長していく姿が書かれていました。
マンガの描き方を学ぶことが「高等教育」にあたるのかどうかはさておき、人が成長する姿を見るのはいいものです。
読んでいて、「スラムダンク」や「一瞬の風になれ」のようなおもしろさを感じました。
また、以下2つの理由から、本書は私にとって非常に興味深いものでした。
本書に出てくる学生たちは、いわゆる文系学生とは異なり「フルタイムの学生」(※)と言えるほど、しっかり教育を受けています。
教育機関としての大学の学びとは、本来こうあるべきなのだろう、と思いました。
一方で、高校を卒業した学生に対し、教員がそんなにも手取り足取り指導をしなくてはいけないのか疑問も感じました。
大学における教育と学生の自主性について考えるきっかけとなり、おもしろかったです。
また、大塚氏が、大学で教えている内容を単なる「マンガを描く技術」にとどめないで高等教育にしようと試みている様子が随所に出てきます。
うまく言葉にはできませんが、高等教育にするための工夫というか感覚というかニュアンスというか…
それは確かに伝わってきたと思っています。
この感覚をうまく言葉にできたら、自分の中の考えが深まる気がしました。
※「イギリスの大学・ニッポンの大学」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、