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東京大学を卒業しましたが、

東京大学を卒業したけれど、「何者」にもなれず社会の中に埋もれきったアラサー女子の、現状への反省も込めた徒然記です。

「新しい国へ」を読みました。

【評価】
普通。

 

【関心】
2012年末に成立した第二次安倍政権が長期政権化しています。
今度の参議院選挙の結果、当該政権はどうなっていくのでしょうか…

安倍政権の長期政権化がいいのか悪いのか、私にはよく分かりません。

しかし、選挙での勝利を口実に「本当にそれが民意なの?」と疑問を感じるような政策を「粛々」と実施している安倍政権には疑問を感じています。
選挙で国民が自民党を選んでいるのだから自民党の政策に不満を言うのは「正しい在り方」ではないのかもしれませんが、それでも、安倍政権の「やり方」には「ちょっと…」と言いたくなってしまいます。

そんな思いがあるため、参議院選挙前にきちんと安倍首相・自民党の考え方について知っておこうと思い、かねてから気になっていた本書を読むことにしました。

 

【感想】
この手の本は著者である政治家自らが書いているとは思っていません。
当然、安倍首相の話をもとにゴーストライターさんが書いているのだと思っています。

でも。それでも…
安倍首相の関心領域が非常によく分かります。
気がつけば、改憲・安全保障(特に日米関係)・愛国心(家族観、地域愛、道徳etc)の話になっていることが多々ありました。

安倍首相の各政治分野に関するご意見は、「はい、そうですか。そういうお考えですか」というスタンスで読ませていただいたため、特にここで言及するつもりはありません。
しかし、少し長くなってしまいますが、以下の点について私の徒然話をさせていただきたいと思います。


政治家個人の「考え・思い」はどこまで優先されるべきなのでしょうか?
本書には、安倍首相の政治家としての矜持が述べられています。
安倍首相は本文で「ここ一番、国家のため、国民のためとあれば、批判を恐れず行動する」「闘う政治家でありたいと願っている」と述べています。
安倍首相は安保法制についても「闘う政治家」として国民のためを思い成立させたのだと思います。

しかしながら、それは民主主義と相反しないものなのでしょうか?

確かに私たちは、小選挙区制の選挙であれば特定の政治家に対して一票を投じています。
でも、その人を全面的に信頼して一票を投じているわけではありません。
しかも、小選挙区制において当選した政治家は、ある意味「当該選挙区」でしか支持されていない存在です。
他の選挙区で立候補していたら、もしかしたら、落選していた可能性もゼロではありません。


それなのに、政治家のパターナリズム的な発想から、「批判」という民意を無視して行動することは適切なことなのでしょうか。
政治家も人間です。
正しいこともあると思いますが、間違えることもあります。
そして、政治家という職業の専門性的には必ずしも特定の分野について詳しいわけではなく、また、選挙を経ているからといって「一定レベルの総合的な判断力」が当該政治家の「資質」として担保されているわけでもありません。
政治家のパターナリズム的行動は民主主義においてどこまで許容されるのでしょうか。


民主主義について不勉強な私には疑問を感じずにはいられませんでしたが、世の中では自明のことなのでしょうか…
よく分からないのは私の不徳の致すところなので…
勉強します。
(最近、あまり本を読めていないのですが…)


平素、個人的に安倍首相はあまり好きではありませんが、それでも本書を読むと、ところどころ安倍首相が「まともなことを言っている」と思う部分はありました。
与党も野党も「適切な」主張をしていることはあります。
一方で、「意味が分からない」あるいは「無意味な」主張をしていることもあります。

「でも、結局、それって自分たち(=政党)の(都合のいい)『意見』(=政策)を通すための方法でしょ?」

政治家が「私たち=国民」のために法案をつくってくれていると思えないあたりに今の政治の根本的な問題があるのでしょうか。
そんなことを考えていたら、高校生の頃日本史で習った、戦前の政治状況の話を思い出しました。


本書で書かれている安倍首相の主張と安倍政権成立後の行動は一貫していると思います。
そのため、選挙前に一度読んでおいて損はない本だと思いました。


余談ですが…
自民党改憲をしたがる理由が本書を読んでようやくわかりました。

 

 

 

新しい国へ 美しい国へ 完全版 (文春新書 903)

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