東京大学を卒業しましたが、

東京大学を卒業したけれど、「何者」にもなれず社会の中に埋もれきったアラサー女子の、現状への反省も込めた徒然記です。

「ネットと愛国心」を読みました。

【評価】
普通。

 

【関心】
随分前のことですが、「在特会の代表と橋下市長が会って話をした」というニュースを見て、在特会の存在を知りました。

それ以来、在特会についてのニュースや話を聞く際には、自分なりの漠然とした「在特会」のイメージをもって接してきました。
しかしながら、漠然としたイメージで物事を見るのは良くはないはずで…

以前、『イスラーム国の衝撃』(※1)を読んだ際、世界の情勢を知らなかったことを反省しましたが、「ヘイトスピーチ」に関する日本国内の状況等々についても知らないことを反省し、とりあえず、在特会がどのような存在なのか知ろうと思いました。

そこで、在特会のルポである本書を読んでみることにしました。

 

【感想】
読みにくくはないはずなのに、想像以上に読み終わるまでに時間がかかってしまいました。
あまり深入りするつもりはなかったので、「こういう人たちもいるのだな…」と思いながら読んでいたのですが、読んでいて気分はよくなかったです。


以下、全くの的外れかもしれませんが、本書を読みながら思ったことについて徒然と書かせていただきます。

本書では、在特会が「在日特権」として主張しているものが仮にあったとしても、それは優遇されているとは言えないようなものであると指摘されています。
そして、本書の説明を読む限り、「うーん、確かに特権??」と私自身も首をかしげたくなりました。

しかし、おそらく彼らの不満は「特権内容」にあるのではない気がしました。
在特会に所属する個々人の主張は違うのだとは思いますが、本書を読みながら全体的な雰囲気として「自国民でさえ優遇してもらえることがないのに、外国人なのに優遇されている人たちがいる」という事実に対して不満があるのではないかと感じました。

上記については、私の直感なので全くの見当違いな見方なのかもしれませんが、それでも本書に通底している雰囲気に『最貧困女子』(※2)を読んだ時に感じた世知辛さと似たような何かを感じました。

 

私も些細なことで苛立つことが多いので何も言えませんが、最近の日本社会では「寛容」という言葉が失われつつあるように感じます。
私が子どもだったころは、もう少しゆとりに端を発する優しさがあったような気がします。

これを経済状況と結びつけて考えるのは簡単ですが、そうではない何かがあるような気がします…

 

本書は「今、まさに活動している」一組織の行動について書かれた本であるため、諸々書きにくいことが多く、本書の感想というか私の徒然所感になってしまいましたが…
本書は、『最貧困女子』(※2)同様、いろいろな人たちを知るという意味で読んでみるといいかと思います。
ただ、先にも書きましたが、読んでいて気分は良くないです。

 

 

※1「イスラーム国の衝撃」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、

※2「最貧困女子」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、

 

 

ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて (g2book)

ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて (g2book)