「日本共産党」を読みました。
【評価】
普通。
【関心】
本書は、立花隆氏と佐藤優氏による『ぼくらの頭脳の鍛え方』(※1)で紹介されていました。
日本共産党については、「昔からあるベテラン政党」というイメージがあり、それなりに知っているつもりでいました。
しかしながら、先の選挙時に、日本共産党について「実はあまり知らないのではないか」と思うことがありました。
自民党は55年体制以降、金権政治や世襲問題など様々な切り口で語られているのを日常生活の中でそれなりに見聞きしてきました。
一方、共産党については、日本史の大正期にうっすらと出てきた以外、ほとんど見聞きすることがこれまでありませんでした。
そこで、今さらではありますが、日本共産党について学ぶべく、本書を読むことにしました。
【感想】
<イメージと違った共産党>
日本共産党については、本当に「知っているつもり」でしかなかったのだな、とつくづく反省しました。
日本共産党のビラや街頭演説はよく目にしていたため、「(日本)共産党といえば『増税反対!』『戦争反対!』『憲法を守れ!』でしょ?」と思っていましたが…
当然ながら、彼らは「共産党」なので「共産主義革命」を目指す人々の集まりであるはずですが、そのことを意識したことはこれまで全くと言っていいほどありませんでした。
現在の日本共産党が、「資本主義の枠内での民主主義革命を成功させ、その後、連続的に社会主義革命を目指す」方針を掲げていることも本書を読んで初めて知りました。
また、日本共産党は「軍隊は持たない」という立場なのだと思っていたのですが、「いずれは憲法を改正して自衛軍を持つが、核兵器は持ちません、徴兵制はとりません」という立場だそうです。
初めて知りました…
そして、イメージと全然違いました…
アラサーになったころから、日本の政治や経済に関心を持ち、それなりに情報収集・勉強をしてきたつもりでしたが、「まだまだ」だということがよくわかりました。
<本書の内容について>
本書を読むと、日本共産党がどのような組織で、どのように人・金を集め、どのように活動をしているのか、という基本的なことがわかります。
また、元・日本共産党ナンバー4という立場からの暴露というか、組織としての腐った状況やダメな部分なども書かれています。
朝、駅前で街頭演説をしている日本共産党の末端活動家の方々と日本共産党の指導部…
共産主義を目指しているはずの組織の矛盾を感じずにはいられませんでした。
政党組織としての酷さは日本共産党に限った話ではないのでしょうが…
本書に書かれている内容が全て正しいとは思いませんが、それでも社会を知るという意味を含めて、非常に勉強になる本だと思います。
ただ、本書を読んでいると日本の政治に対する嫌気が増してきます…
※1「ぼくらの頭脳の鍛え方」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、