東京大学を卒業しましたが、

東京大学を卒業したけれど、「何者」にもなれず社会の中に埋もれきったアラサー女子の、現状への反省も込めた徒然記です。

「自由はどこまで可能か リバタリアニズム入門」を読みました。

【評価】
いまいち。

 

【関心】
以前、『自由とは何か』(※1)を読んだ際、リベラリズムの4分類に関する話に興味を持ちました。
なかでも、福祉主義については強い興味を持つ一方で、同じくらい強い違和感を感じました。
そこで、福祉主義に関する本を読みたいと思ったのですが、読んだところで楽しい気分にはならない気がしたので…
福祉主義の対極にあると考えられる市場中心主義に関連する本を読もうと思い、検索したところ出てきた本書の副題「リバタリアニズム入門」に関心を持ち、読んでみることにしました。

 

【感想】
約15年前に書かれた本なので、今はもう少しリバタリアニズムの考え方が整理されているのでしょうか…


本書によると、リバタリアニズムの中でも共通見解のないテーマが多数あるようで、読みながら自分の中で「どれが一般論で、どれが複数ある意見の中の一つなのか」といったことがうまく整理できず、読後、「何かよくわからなかった…」という不全感が拭えませんでした。

自分の要領が悪いことが問題なのですが…



しかしながら、
「諸個人の経済的自由と財産権も、精神的・政治的自由も、ともに最大限尊重する思想」であるリバタリアニズムの雰囲気をつかむことはできたと思います。


リバタリアニズムの「政府に基本的権利を保護する以上の『価値を認めることは個人の自由だが、それを他人にまで強いるのは不当な介入である』」といった考え方など、腑に落ちる部分もあり、わからないながらも興味深く読むことができました。


また、これまであまり自分の「スタンス」ということについて考えたことはありませんでしたが、「意外と自分はリバタリアンなのかもしれない」と思ったりもしました。
(だからどうだということもありませんが)

 

 

本書では、リバタリアニズムからの経済政策だけでなく、権利や家族など多様なテーマについての考え方が紹介されています。


本書で紹介されていた、「生存のくじ」はとても興味深く、自由と平等と公平感とそれらの間のジレンマについて、非常に考えさせられました。

リバタリアニズムとは関係ありませんが、様々な思想につきまとう「ジレンマ」状況についてまとめた本があったら、ぜひ読んでみたいです。



それにしても、「リバタリアニズム=経済政策」というイメージでいたので、経済政策以外の様々なテーマを扱う本書には少し意外な感じがしました。


今度はリバタリアニズムの立場から書かれた経済政策に関する本を読みたいと思います。

 

 

 

 

 

自由はどこまで可能か=リバタリアニズム入門 (講談社現代新書)

自由はどこまで可能か=リバタリアニズム入門 (講談社現代新書)