東京大学を卒業しましたが、

東京大学を卒業したけれど、「何者」にもなれず社会の中に埋もれきったアラサー女子の、現状への反省も込めた徒然記です。

「自由とは何か」を読みました。

【評価】
普通。

 

【関心】
昔から、「自由をこよなく愛しています」と何かにつけて言ってきました。
もちろん、ただ言っているだけで、何か主張したいことがあるわけではなく、面倒くさいことから逃れるための言い訳の場合がほとんどです。

しかしながら、社会人になってからそれなりの頻度で思っている「仕事が嫌」には、時間・場所的な自由がないことも「嫌」な理由に含まれています。

アラサーともなれば、「自由」に生きることなどできないことはわかっていますが、でも、だからこそ「自由」が気になります。
(そもそも「自由」に生きたことなどありませんが…)


「私の自由はどこまで認められるのか」


日常的にそのような思いを抱いていたせいか、本書のタイトルを読書メーターで見たとき、迷わず読もうと思いました。

 

【感想】
難しかったです。

しかし、そう感じたのは「自由」をめぐる議論に関する基礎知識が自分にほとんどなかったことが原因なので…
読みながらすごく悔しかったです。
本書に出てくる思想家については、ハンナ・アーレント(※1)以外、ほとんど知らない人たちばかりでした。

自分の基礎知識を増やしてから、再読したいと思います。


「いろいろなことを理解したり考えたりするためには、幅広い知識が求められるのだ」ということがよくわかりました。
同時に、仲正氏の著書(※1)を読んだだけですが、ハンナ・アーレントの部分だけは「わかる」と思えたので、学習すればわかる・見えることが広がることも実感できました。


上述のとおり、本書についてはよくわからない部分が多かったのですが、それでもリベラリズムの類型論は非常におもしろかったです。
本書では、リベラリズムを「市場中心主義」「能力主義」「福祉主義」「是正主義」の4つの立場に分け、その特徴や背景にある考え方などを説明しています。

自分の考えがどれに近いのか考えることもおもしろかったのですが、4つの立場について考えれば考えるほど、福祉主義に興味と違和感を持ちました。

本書で紹介されている福祉主義の説明は、もしかしたら他の立場との差異を明確にするために極端な内容になっているのかもしれませんが、「リアル30s’」(※2)を読んだ時に感じたもやもや感にもつながっているような気がしました。
福祉主義については、もう少し考えてみたいと思います。


それにしても。
すっかり忘れていましたが、約10年前にも日本人がイラクで人質となり、自己責任についての議論があったようです…


本書は、知識があれば様々な示唆が得られる本だと思います。
今の私には十分な理解ができなかったのですが、本書を理解できるようになるためにも、今は知識不足を反省し、次に進もうと思います。

 

 

※1「今こそアーレントを読み直す」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、

※2「リアル30’s」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、

 

 

 

自由とは何か (講談社現代新書)

自由とは何か (講談社現代新書)