東京大学を卒業しましたが、

東京大学を卒業したけれど、「何者」にもなれず社会の中に埋もれきったアラサー女子の、現状への反省も込めた徒然記です。

「危険な宗教の見分け方」を読みました。

【評価】
興味深い。

 

【関心】
宗教関係の本を読みたいと思い、図書館に行ってみたところ、本書がたまたま目に入りました。
目に入ってしまったら、「読まない」という選択肢は私にはありませんでした。

オウム真理教事件」(以下、事件)については、事件当時、まだ子どもだったため、きちんと理解や認識ができていない部分が多々あると思っています。
しかし、そんな私でも事件の概略や上祐氏についてはそれなりの記憶やイメージを持っています。
事件当時、オウム真理教の広報担当としてよくテレビに出ていた上祐氏が、「危険な宗教の見分け方」というタイトルで一体何を語るのだろうと関心を持ち、読むことにしました。

 

【感想】
タイトルの「危険な宗教の見分け方」については、本書ではほとんど言及されていなかったと思います。
どちらかというと、上祐氏のオウム真理教入会~現在までの宗教・教祖・信じることについての振り返りや思うことについてのインタビューといった内容です。


本書は、個人的には非常に興味深い内容でした。
特に最近、「科学とは何なんだろう?」ということを考えているのですが、その観点からの示唆に富んでいました。
この点については、後日改めてまとめたいと思います。

 

上祐氏は、事件末期、破防法が適用されないために対策を講じようとしたという話や入信する前の経歴などを鑑みるに、非常に優秀な人のようです。
事件当時の私の記憶と合わせても、やはり優秀な方なのだろうと思います。
(ここで「優秀」という表現が適切なのかどうかわかりませんが、ニュアンスをくみ取っていただければと思います)

本書における、田原氏との対談も、非常に思慮深く話され、また慎重に言葉を選んでいる感じもして「きちんとしている」という印象を持ちました。


しかし、そのように「優秀」で「理性的な人」と思える上祐氏が、「どこかおかしい」と感じつつも教祖などを信じてしまったという話には、「不思議」としか言いようがありませんでした。
また、事件後、教団を脱退するまでの葛藤の話などを読むと、理性と感情は「別モノ」なのだな、と改めて思わされます。


一連の事件からまだ20年程しか経っていない現状、本書については評価の分かれるところだとは思いますが、「宗教」の持つ「不思議さ」がよく伝わってくるという意味で、非常に興味深い対談集だと思いました。

 

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