「感動をつくれますか?」を読みました。
【評価】
個人的に好き。
【関心】
読書メーターの相性のいい読書家さんを見ていたら本書が目に入りました。
ジブリ作品は大好きなので、その音楽を担当している方の本ということで興味を引かれ、読んでみることにしました。
【感想】
私自身は芸術とは縁遠い生活を送っていますが、芸術にはそれなりに関心があるので「芸術家ってこういう感じなんだ」と、その生活や考え方がわかってとても興味深かったです。
芸術家はコンスタントに作品をつくり出せなくてはいけない、「想像力の源である感性、その土台になっているのは自分の中の知識や経験の蓄積だ」といった話など、特別なことではないのかもしれませんが、読んでいてすっと入ってくることが多く、そして何より久石氏の考え方には「好き」と感じる部分がたくさんありました。
本書を読むと、久石氏があれほどたくさんの曲をつくることができるのは、作曲家としての矜持というかプライド故なのだろうなと、思えてきます。
一方で、久石氏ほどの人でも、自分がつくりたい曲をつくるのではなく聞き手を意識して曲をつくっているということには、とても驚きました。
芸術家といえば、自分がつくりたいものをつくりたいようにつくっているというイメージがありましたが、そうではないようです。
(あるいは、久石氏は商業分野で活躍されているという観点から「芸術家」ではないのかもしれません)
また、久石氏の芸術家論や作品をつくるときの心構えなどの話を読みながら、物事に対して「バカバカしい」と投げやりになることなく一つ一つのことに真剣に取組むことの大切さや仕事に対するスタンスなど、多々、考えさせられることがありました。
同時にそれは、私の中に「自分も頑張ろう」というすごく前向きな気持ちをもたらしてくれました。
これまで芸術家の方が書かれた本を読んだことはほとんどなかったのですが、想像以上に自分の生活に活かせる「何か」を見つけることができたように思います。
今後、このような本をもっと積極的に読んでいきたいと思いました。