「物語 ヴェトナムの歴史」を読みました。
【評価】
おもしろい。
【関心】
「ベトナム戦争」(※1)を読んだ際、ベトナムには近代国家・軍隊がスムーズに導入できなかったり、ゲリラ戦で戦果をあげたりと、私が知っている「近代国家とは違う何かがある」という印象を持ちました。
その背景を探るべく、ベトナムの歴史を知るために本書を読むことにしました。
【感想】
とにかく長かったです。
しかし、長いだけあって、徐々にベトナムが国家として整っていく=成立の様子が分かり、おもしろかったです。
ベトナムは歴史的に、対中国・ラオス・カンボジアとの戦いを繰り返していたそうです。
そして、その際には、組織的・中央集権的な戦いというよりは、一部の者たちによる蜂起やゲリラ戦法が主に取られていたそうです。
本書を読んだ理由である、ベトナム戦争における「戦い方」etcには、やはり歴史的な背景があったということがわかりました。
また、本書では、これまで学んできた日本史・中国史とは全く違うベトナム史という視点から世界を見ることができ、非常に新鮮な経験ができました。
特に、高校生の頃、習ったときには「些末なこと」と一蹴してしまった東遊運動に、ベトナム人の切実な思いがあったことを今さらながら知ることができました。
このようなベトナム側の思いや事情を全く理解できていなかった高校生の頃の私は何も学べていなかったのだと、改めて反省です。
詰め込み教育は大好きですが(※2、3)、それだけでは足りないことを実感しました。
ベトナムの地名や人名は馴染みがないので読みにくくはありますが、ベトナムの特徴なども理解できる良書だと思います。
※1「ベトナム戦争」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、
※2詰め込み教育の何が悪い?~詰め込み教育だって、役に立ちます! - 東京大学を卒業しましたが、
※3詰め込み教育の魅力~「わかる」喜びだってちゃんとあります! - 東京大学を卒業しましたが、
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・「学問のすすめ 現代語訳」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、
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