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東京大学を卒業しましたが、

東京大学を卒業したけれど、「何者」にもなれず社会の中に埋もれきったアラサー女子の、現状への反省も込めた徒然記です。

女性の活躍促進は新たな被搾取層の創出?

女性の活躍促進。
選挙の争点になっているのかいないのか、あるいは「できない」のかはわかりませんが、それでも今年の「動き」になっていると思います。


せっかくの女性の活躍促進の流れに水を差すつもりはないのですが…
昨今進められている女性の活躍促進は、新たな被搾取層の創出なのではないかと思えて仕方がありません。


実際、このように考えると、何で今さら「女性の活躍促進が社会的な動きに?」という疑問がすっきりします。
そう思ったら、誰かに言いたくて仕方がなくなりました。

 

【女性の活躍促進~出産等による退職者の復職】

最近の「女性の活躍促進」は主に以下3つの取組からなっています。


私が気になっているのは「女性の就業率の向上」です。

女性の労働力率については、結婚・出産年齢で一度低下し、子育てが一段落した時期に再び上昇する「M字カーブ」を描くことが一般に知られています。
現在の「女性の活躍促進」では、結婚・出産で退職した女性=主婦の社会復帰が一つのテーマです。

主婦が働くためには時間に融通が利く必要があります。
そのため、必然的にパートや派遣による仕事復帰が多くなると考えられます。


先日、働きたい主婦に特化した人材派遣会社を紹介する記事を見つけました(※1)。
(以下、抜粋)

  • 一般常識もビジネスマナーも心得た優秀な人材を低コストで雇用できることを掲げ、ビースタイルは企業の主婦向け業務を開拓してきた。
  • 日数や時間にもよるが、企業はこうした即戦力となる人材を、月額20万円前後で活用することができる。


彼女たちはその能力にふさわしい賃金を支払われているのでしょうか?

 

【主婦の再就職=新たな被搾取層?】

昨今、若者の非正規雇用化、それに伴う人材育成の問題や晩婚化・非婚化による少子化問題などが大きな社会問題となっています。
加えて、若者を使い捨てるブラック企業は、若者の労働問題をさらに悪化させています。


このような若者の労働をめぐる問題の悪化により、最近、社会の監視の目が厳しくなってきました。
そのため、企業が若者を安い労働力として使いにくくなり、その結果、若者にに代わる新たな安価な労働力が必要となり、その結果選ばれたのが、今の「女性の活躍促進」でクローズアップされている主婦層なのではないでしょうか。

しかも、少子化に伴い早晩、若者は減少していくけれど、主婦層はしばらくの間、かなりのボリュームが確保できると考えられます。
加えて、もともと社会から働く機会を適切に与えられていなかった主婦が働けるようになることには、たとえそれが正規雇用でなかったとしても、若者と違って批判は生じにくいと考えられます。


そして、女性の上位層を増やすのは、主婦層を安く活用するための同じ「女性」に対するバーターです。


そう考えたとき、「女性の活躍促進」が今になってブームになった理由がわかった気がしました。


加えて、タイミング良く、水野和夫氏(※2)の以下の指摘を発見しました。
水野氏によると、

  • 資本主義は「中心」と「周辺」から構成され、「周辺」=フロンティアを広げることによって「中心」が利潤率を高め、資本の自己増殖を推進していくシステムである
  • これまで「周辺」を担ってきた南の途上国が新興国に転じた結果、新たな「周辺」として日本の非正規社員やアメリカのサブプライム層など、国内に新たな「周辺」がつくられるようになった

そうです。

 

やはり、今の女性の活躍促進政策は、これまでの若者の非正規雇用に変わる新たな被搾取層=「周辺」の創出行為ではないかと疑ってしまいます。


10月に取りまとめられた「すべての女性が輝く政策パッケージ」(※3)には「『正社員実現加速プロジェクト』の推進」など、主婦層の正社員化に関するものも入っているようですが、若者の正社員化すらうまくいっていない現状を鑑みると「難しいのでは?」と思ってしまいます。

 

このような考え方は、穿った見方なのでしょうか…

 

 

※1「本当は働きたい」願望に火をつける | 注目のスタートアップ | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

※2「資本主義の終焉と歴史の危機」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、

※3「共同参画」2014年 11月号 | 内閣府男女共同参画局

  パッケージPDFは最下部リンク