東京大学を卒業しましたが、

東京大学を卒業したけれど、「何者」にもなれず社会の中に埋もれきったアラサー女子の、現状への反省も込めた徒然記です。

ポジティブアクションって必要?-最近の女性の活躍促進について思うこと。

私が乗る朝の通勤電車は結構混んでます。
本を読むほどの余裕はないので、よく東洋経済オンラインとプレジデントオンラインを読んでいるのですが、「女の子が東大に入ると損?いいえ、日本一幸せになれます」(※1)というプレジデントオンラインの記事を発見してしまいました。


この記事は誰に向けて、何のために書かれたのでしょうか?

 

ちなみに、東洋経済オンラインには「上野千鶴子先生、東大女子は幸せですか?ー力尽きるまで、働くしかできない女たち」(※2)という記事が掲載されていましたが…


この記事に書かれている内容を否定するつもりはありませんが、すごく違和感をもちました。

 

【女性の活躍促進とポジティブアクション

7月、安倍政権の「女性の活躍促進」を受けて、経団連加盟社が女性の役員や管理職への登用について、具体的な数値目標を設けたというニュース(※3)を見ました。


男女雇用機会均等法が施行されたのが1986年、全面改定されたのが1997年。
最初の施行から30年近くが立ちますが、今でも「ガラスの天井」というものがあるのでしょうか?


私は幸い「ガラスの天井」を感じたことはありません。


…単に、そんなに偉くなっていないからガラスの天井が見えなかっただけなのかもしれませんが。

 

ガラスの天井が本当に存在するのであれば、それは解消されるべきだと思います。
しかし、これまで男女差別を感じずに生きてきた私にとって、ポジティブアクションにはどうしても違和感を拭えません。


たとえば、「2020年までに女性役員を3割にするという目標を掲げているから、じゃあ、君、明日から役員ね」と、実力や実績が周りの男性と比べて十分とはいえなくとも、「女性」の中ではふさわしい、という理由で登用されても…

私はうれしくありません。

 

これって何かおかしくないですか?

 

マジョリティの意見はわかりませんが、私の周囲の高学歴女子には、ポジティブアクションに否定的な人が多い気がします。

 

【東大が入試でポジティブアクションをはじめたら…】

企業におけるポジティブアクションではないですが、先ほどの「女の子が東大に入ると損?いいえ、日本一幸せになれます」(※1)が、女子学生を増やしたい東大(及びその関係者)が依頼して書かれた記事だったら嫌だな、と心の底から思います。


時々、「東大ももっと女子学生を増やす努力をするべきだ」という話を耳にしますが、本当にそうなのでしょうか。
そのような努力を東大がすべきか、という点に疑問があります。


そもそも、現状において、東大の合否は小数点の点数で決まると言われています。
センター試験の結果を圧縮して二次試験の得点と合計するため)
しかし、批判されて久しい点数至上主義故に「ガラスの天井」はないと信じられます。
少なくとも、私が受験したとき、解答欄に性別を記入する欄はありませんでした。


大学が「一つのゴール」から「通過点」に変わった昨今、女子生徒、あるいはその保護者が東大を志望するかどうかは、その後の社会を見て決めていると考えられます。
もちろん、受験時までの周囲の環境も影響を与えます。


東大女子のキレイな側面ばかりアピールして、逆に胡散臭さが漂う記事が書かれる現状は何を意味しているのでしょう。
こんな記事に騙される人はいないとは思いますが…


昨今やたらとクローズアップされている入試の多様化や女性の活躍促進の流れに乗って、東大がポジティブアクションを始めないことを切に願います。


ーさすがに、東大が入試にポジティブアクションを導入するなんてことはないよね?
ーでも、不正のある論文でも博士号がとれる「大学」だから、わからないかも…

 

 

※1女の子が東大に入ると損? いいえ、日本一幸せになれます。:PRESIDENT Online - プレジデント

※2上野千鶴子先生、東大女子は幸せですか? | ワーキングマザーサバイバル | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

※3女性管理職の登用目標、経団連主要企業が公表 資生堂など3社が「30%」明記 - MSN産経ニュース

 

 

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