東京大学を卒業しましたが、

東京大学を卒業したけれど、「何者」にもなれず社会の中に埋もれきったアラサー女子の、現状への反省も込めた徒然記です。

「政治主導はなぜ失敗するのか」を読みました。

【評価】

普通。


【関心】

「キャリア官僚の仕事力」は本当にいまいちでしたが、一冊読んだだけで著者を評価してしまうのは早計だと思い、とりあえず、もう一冊手に取ってみました。
これまでと同様、官僚に関する知見を深めることが目的です。


【感想】

本書は「大学教員としてまっとうなことを書いてる」と(上から目線で恐縮ですが)思えました。
特に、これまで読んだ古賀氏の著作は官僚の現状とそれに対する批判についてだったので、

  • 官僚がPowerを持っている理由についての、政策形成過程からの分析
  • 日本人と政治の関係に関する分析

 

などは、読みごたえがありました。

官僚について、もっと学術的な視点、歴史的な視点から知識を得ると理解が深まるだろうな、と、次に読むべき本の内容が決まりました。


実際に政策がどのようなプロセスを経て企画・立案されているのか、一般人にはよくわからない部分があります。
それを、政策形成過程として、プロセスごとに政治家・官僚・関係団体など、どのようなアクターがどのように関わっているのか、きちんと説明されている点は非常に分かりやすくよかったと思います。

このようなことがリアルに書けるのは「元官僚だからこそ」だと思いました。


とはいえ…審議会を隠れ蓑にして、役所が好きに政策をつくるのは日常茶飯事、などという暴露を元官僚がしてしまっていいのでしょうか。
「キャリア官僚の仕事力」(※)との暴露度の程度の違いに少し心配になります。


 ※「キャリア官僚の仕事力」を読みました。 - 東京大学を卒業しましたが、

 

 

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政治主導はなぜ失敗するのか? (光文社新書)

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