東京大学を卒業しましたが、

東京大学を卒業したけれど、「何者」にもなれず社会の中に埋もれきったアラサー女子の、現状への反省も込めた徒然記です。

夢を追うことの代償。「優秀」って何なのでしょう?

サッカー選手や野球選手を目指してがんばってきても、ドラフトで指名されなかったり、プロになっても早々に戦力外通告されることがあるそうです。
芸人やアイドルを目指してがんばってきても、売れることなく去る人だってものすごくたくさんいると思います。

そういう人たちは、次の仕事を紹介してもらえなかったり、場合によっては一から新たな道を選ぶことを求められることもあるそうです。

でも、夢を追いかけるというのはそういうことではないでしょうか。



以前、(ポスドクを含む)若手研究者支援に関わっていたことがあります。
あのころもそうだったけど、今も何で若手研究者支援が必要なのか私にはわかりません。

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研究者はポストが少ないが、優秀な人材に博士課程に進学してもらわなくては日本の科学技術が世界の中でおくれをとってしまう。
国力維持のためにも支援をする必要がある。
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でも、「ポスト」が少ないのは野球選手もサッカー選手も、芸人もアイドルもみんな同じだし、日本のスポーツ振興、文化発展のためにはどれも必要なものであるということは、科学技術と何ら変わりがないと思います。

科学技術はそんなに特別なのでしょうか?

科学技術が本当に必要だったら、衰退しいないはずだし、必要だと思う人たちが投資をしてくれて、発展していくはずではないでしょうか。


スポーツ選手やアイドル、芸人を目指していた人たちと違い研究者だけ国が数十億の税金を投じて支援していることは、なんだか不平等に思えて仕方がないです。
研究者の道を選んだのは、スポーツ選手や芸人やアイドルを目指すのと同じように、個人の職業選択なのだから本来個人に責任があるはずです。

なぜ、研究者だけ優遇される必要があるのでしょうか。


結局、大学教授の中には政治家のような方もいらっしゃるので、研究者は「発言力」のある方々がもっともらしい理由をつけて支援を求められるから優遇されているのではないかと勘ぐってしまいます。
仮に大学がスポーツや文化のように人材を集めるのに競争ができない環境にあるのであれば、その制度改善を求め自助努力をすべきなのではないかと思います。

大学は「優秀な方」の集まりでなのではないのでしょうか?



それに、あのころ私が出会ったポスドクの方々って、話をしていてあんまり優秀だと思わなかったんですよね…
実際、東大のころの友人には、ポスドクすら経ることなく常勤ポストに就いてたり、30歳前に准教授になっている人もいました。
結局、本当に優秀じゃないからあぶれてるんじゃないの?と思ってしまいます。
そして、優秀じゃない(使えない)から、企業への就職もできないんじゃないの…と。


博士課程まで進学したからって「優秀」なんですか?

自分が優秀だとは思ってないけれど、自分よりバカそうな人が、当然のように税金を使った支援を求めている現状には非常に腹が立ちます。


それに、常勤ポストに就けていない研究者の方だって、少なくとも博士課程まで進学する学費を払う能力or環境には恵まれていたわけだし、それこそ、「優秀」なのであればそれこそ自分で努力できるのではないでしょうか。
高校を卒業してから9年分も余計に学費を払うだけの余裕もなく、あるいは、高校を中退してしまい「高卒」条件の求人に応募できない人の支援の方がもっと必要なのではないでしょうか。

行政としても、大きな政府を目指しているなら、若手研究者より先に支援すべき層はあるはずだし、小さな政府を目指すのだとしたら、支援の対象にはならないはずはないです。


世の中、「博士号を持っているから」「○○大卒だから」と胡座をかいている人がいらっしゃるようですが、自分がそうならないように十分気をつけようと思います。

でも…
税金の投入額が大きい東大を卒業しているのに、私も大して世の中の役に立っていなくて…

ごめんなさい。